ののま自然農園の栽培方法についてのお知らせ
ののま自然農園も開業して8年くらいになりました。(もはや何年目か覚えていない…)
始めた当初は、無農薬・無肥料・不耕起、機械もほぼ不使用、などのやり方でがむしゃらに頑張っていましたが、農地が増えるにつれ、やり方も変えていっています。
今は耕すこともするし、機械もたくさん使います。
無農薬・無肥料栽培といっても、特にJAS規格のような認定があるわけでもなく、定義などもありませんので、お客様が気になるであろう点を改めて説明します。
1. ポリマルチ(ビニールマルチ)の使用について
昨年から、ポリマルチ(ビニールマルチ)を使用することにしましたが、その際、土に還る「生分解性マルチ」を使用するかどうかも検討していました。
そして今年の夏から、生分解性マルチを使うこととしました。
ポリマルチは使用後に綺麗にはぎ取って回収することが難しく、丁寧に作業してもポリマルチのかけらが土の中に残ってしまうことがある、ということを実感したためです。
そして綺麗に回収するには大変な手間がかかります。
生分解性マルチは土の中で水と二酸化炭素に分解されるので、作物収穫後に、そのまま土に鋤き込むことができるマルチシートです。回収する必要が無いので、大変な労力を削減することができます。
ただし、やはり人工物を土に混ぜることになるので、「自然栽培」としては賛否両論分かれるところであります。
ののま自然農園では、手間を削減しなければ営農は難しいと判断して生分解性マルチの使用を決めました。
ポリマルチに対する考えなどは、ウェブサイトにも記載していますので、気になる方はこちらもご覧ください。
https://nonoma.shop-pro.jp/?mode=f9
2. 「種子消毒」された種の使用について
ののま自然農園では、当然農薬を散布することはありません。
しかし「種子消毒」処理済みの種を使うことがあります。
作物の種は、自家採種を基本としてはいますが、購入する種もあります。そのうち、種子消毒が施されているものが、年間を通してだいたい2〜5種類ほどあります。
有機JAS規格では、種子消毒は持続的効果を示す農薬には当たらないとされています。
なるべく種子消毒された種は使わない方向でいますが、生育不良などで自家採種することができず、消毒されていない種が入手困難の場合などには今後も使うことがあります。ご了承いただけますと幸いです。
3. 隣接農地からの農薬の飛来対策について
今年も農地が拡大し、それに伴って、慣行の田んぼ(農薬なども使う通常の農法の田んぼ)と隣接する田んぼも管理するようになりました。
慣行田んぼからの農薬飛来の可能性を考え、慣行田んぼから3m以上離れたお米を出荷することとします。
(それより近いお米は自家消費など)
4. 作物の病気対策としての菌液の使用について
ののま自然農園では、近年「青枯病」という病気が非常に発生しやすくなっています。
主にトマト、ナス、ピーマンなどのナス科の作物に発生する病気で、一度その病気にかかると、次の作物に感染する前に引っこ抜いて焼却処分するしかないと言われている難病です。
今年のトマトはほとんど収穫できないうちに全滅してしまいました。
この病気を薬剤を使わずに予防する方法はほぼありません。(あるにはあるが、費用と手間がかなりかかる)
今年は病気予防として、「えひめAI」という自作の菌液を使用しました。作付け前に土に散布したり、作物に葉面散布したりしました。材料はヨーグルト、納豆、砂糖、ドライイースト、水なので、散布しても安全と考えています。
菌液の効果は今年は感じられませんでしたが、今後もこのような菌液などの微生物資材を病気対策として使用する可能性があります。
微生物が土を作り、作物を育てる、という考えのもと栽培をしていますので、微生物を活性化させる菌液などの資材で、安全と判断したものは今後も試していく方針です。
また、菌液の他、お酢なども病気対策として試していく方針です。
ひとまず以上となります。