ー 栽培のこだわり ー
ののま自然農園では農薬・肥料を用いず、生き物を活かし、自然の力を引き出すことを大切にしています。
■ 肥料を与えず、栄養剤なしで生命力がもりもりみなぎる野菜に!
肥料を敢えて与えないことで、根を深く伸ばして土中の養分をしっかりと吸収する力が引き出されます。強く生きる力を作物は持っているのです。
一般的な肥料の成分の多くは窒素で、それを過剰に吸収すると作物は不健康になってしまいます。虫がつきやすく、病気にもなりやすく、エグみが増え味が悪くなります。収穫後の日保ちも良くありません。野菜が不健康だから農薬を使うのです。肥料を与えなければ窒素を摂り過ぎることはなく、虫や病気に負けないたくましさもあるので農薬は必要ありません。
■ 草を生やして刈り敷いて、生き物たちが養分をつくる。
肥料を与えずに、なぜ作物が育つのでしょうか。その答えは、草を生やすことにあります(僕個人の見解です!)。植物は太陽の光を受けて光合成をすることでエネルギーを生み出します。たくさんのエネルギーを蓄えた植物を、刈ってその場に置いておく(または土の中に混ぜ込む)ことで、それが分解されて土に養分が供給されます。
そしてその草を分解しているのは、ダンゴムシやミミズ、微生物などの生き物です。様々な種類の生き物が協力して草を分解し、その過程で土を団粒化させ、保水力、水はけ、養分保持力の高い土を作り出します。人間が肥料を与えなくても、そこにいる生き物たちが働いてくれれば、野菜が元気に育つ土が出来てきます。
■ 種を採り、命を継ぐ。
命をつないでいくこと。それが生き物の大きな役割だと思っています。野菜も他の植物と同様、その命を全うすると種を残します。この種を大切に採り、次の世代へつなぎます。自家採種を繰り返すと、作物はだんだんその土地に馴染んでいき、強く、おいしく育ちます。
種の種類で、在来種、固定種、F1品種、などという言葉を聞いたことがあるでしょうか?大雑把にいうと、在来種や固定種は、今年種を採って来年蒔いて育てると、だいたい同じような性質を受け継いだ植物が育ちます。F1品種は、異なる固定種の掛け合わせで、今年採った種を来年蒔いて育てても、隠れていた性質が出てきて、様々な性質を持った植物が育ちます。どちらの種が優れているということも無いのですが、当農園では品質の維持・向上のしやすさから在来種や固定種を育てることがほとんどです。